家作りの際に客間としての和室を設けない場合、リビングに置き畳をしたり、小上がり畳を置いたりすることで、和室の気分を味わうことができます。このうち、リビング畳についてはご存じの方も多いかもしれません。そこで今回は、もうひとつのアイデアである「小上がり畳」について、メリットやデメリット、設置する際に注意したいポイントなどをご紹介します。
▼小上がり畳とは
小上がり畳は、段差を付けて小上がりを作った上に畳を敷いた家具のことです。 リビングや寝室などで「段差のある小上がりスペースを作りたい」といった場合に利用でき、飽きたら移動させることもできますので便利です。また、和モダンなイメージ作りにも一役買うツールでもあります。
▼小上がり畳を設置するメリットとデメリット
部屋のイメージチェンジに大いに活躍する小上がり畳ですが、次のようなメリットやデメリットがあります。
■小上がり畳を設置するメリット
まずはメリットからご紹介していきましょう。
空間が立体的になる
さまざまな用途に使える
収納スペースが増える
空間が立体的になる
部屋全体がフラットな状態のところに小上がり畳を置くことで、視覚的にも身体的にも空間が立体的に感じられるようになります。 小上がり畳の段差は部屋にメリハリをもたらし、アクセントにもなるでしょう。
さまざまな用途に使える
小上がり畳を設置したスペースは、子どもの遊び場や書斎、テレワークスペース、赤ちゃんのおむつ替えスペースなど、さまざまな用途に使えます。小上がり畳スペースが広い場合には、カーテンで仕切りを付けて、客間や突然の家族の宿泊スペースなどにも使えるので便利です。
収納スペースが増える
家の中の収納スペースは多いに越したことはありません。小上がり畳の下が収納スペースになっているものを選べば、季節ものや書籍、ペットフードなどを保管しておくことが可能です。頻繁には使わないけれども保管しておきたいものの収納場所として、小上がり畳の下はうってつけでしょう。
■小上がり畳を設置するデメリット
多くのメリットがある小上がり畳にも、次のようなデメリットがあります。
部屋が狭く感じるケースもあり
バリアフリーには不向き
小さな子どもが使う際には注意が必要
部屋が狭く感じるケースもあり
小上がり畳を設置した空間は物理的に高さが狭まることになります。ある程度高さを確保した小上がり畳の場合には、部屋が全体的に狭く感じるかもしれません。天井の高さとのバランスを見ながら、小上がり畳の高さを決めるようにしましょう。
バリアフリーには不向き
小上がり畳の特徴でもある段差は、腰かけられるなどのメリットがある反面、バリアフリーには不向きだといえます。高齢者が上がりにくかったり、小上がり畳を設置したことで車椅子の通るスペースを確保できなかったりなど、生活を送る上で支障をきたす可能性もあります。
小さな子どもが使う際には注意が必要
小上がり畳の段差は、小さなお子さんがいる場合にも注意が必要となります。上れないだけでなく、落ちて怪我をする可能性がありますので、常に大人の目が届く状態での使用を心がけてください。小上がり畳を設置したスペースに間仕切り壁を設ければ、お子さんでも安心して使えるでしょう。
▼小上がり畳を設置する際に注意しておきたいポイント
小上がり畳の設置を考えている方は、次の2点をぜひ押さえておきましょう。
用途に合わせて高さや広さを決めておく
間仕切りの有無で使い勝手が変わる
■用途に合わせて高さや広さを決めておく
小上がり畳はさまざまな用途に使えるので便利なのですが、もし用途が決まっているのであれば、小上がり畳の高さや広さを決めておくことをおすすめします。
一般的に、小上がり畳の高さは約20cm~40cmに設定されていることが多いです。無理なく腰かけたい場合には30cm~40cm、上りやすくしたい場合には20cm程度 が良いでしょう。小上がり畳の広さについては、書斎やお昼寝スペースであれば約3畳、お子さんが遊んだりこたつを置いたり、客間として使う場合には約4.5畳は欲しいところです。
このように小上がりスペースは、用途に合わせて高さや広さを決めておくと、生活の中で実際に使う際にストレスを感じにくくなります。
■間仕切りの有無で使い勝手が変わる
小上がり畳を設置する場所に、間仕切り壁やカーテンで空間を仕切ることができれば、急に個室が必要になったときでも慌てずに対処できます。ただし間仕切り壁の場合には、リビングとの一体感を削ぐ形となり、小上がり畳の存在が圧迫感をもたらすことに。また、カーテンの場合には、臭いや音の影響は受けます。
小上がり畳を設置する場合、空間を分ける壁やカーテンを付けるかどうかで使い勝手や印象が変わりますので、用途や可能性をよく考えた上で間仕切りを付けるかどうかを決めましょう。
▼まとめ
小上がり畳は、リビングや寝室などで段差のある畳スペースを気軽に作ることができる家具です。さまざまな用途に使える他、収納スペースも増えます。しかし設置のし方や広さによっては部屋が狭く感じたり、高齢者や小さいお子さんなど使う人によっては注意が必要であったりというデメリットもあります。ご自宅に小上がり畳を取り入れる際には、用途に合わせて高さや広さを決めておくと、使用する際のストレスが減るでしょう。
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