和紙畳ってどんな畳?特徴やオススメの人を解説します
和室といえばイ草の香りがする「イ草畳」をイメージする人が多いと思いますが、最近ではモダンな「和紙畳」にも注目が集まっています。今回はそんな和紙畳をご存じない方へ、以下の内容をご紹介していきます。
・和紙畳とは
・和紙畳の特徴
・イ草畳との違い
・和紙畳のメリット、デメリット
・和紙畳がオススメな人
和紙畳の魅力だけでなくデメリットも知っておくことで、好みや用途に合わせた選択肢の幅が広がります。ぜひ畳を選ぶ参考にしてください。
▼和紙畳とは
和紙畳は文字通り、和紙を使って作った畳です。見た目がモダンなものなど、デザイン性が高いものが多く見られます。最近ではリビングのフローリングの一角に敷いてくつろぎスペースを作るなど、和室を作らなくても和室感覚を味わうことができるアイテムとして、和紙畳を使用する人も増えています。
■和紙畳の特徴
和紙畳では、こより状に加工した和紙を樹脂でコーティングした後、さらにパイプ状にして交互に編み上げたゴザが畳おもてにて使われています。つまり、パイプ状の加工でイ草のもつクッション性や吸放湿性能を、樹脂コーティングで耐久性や耐水性を叶えているのです。
また和紙でできているので、豊富なカラーリングが可能で、イ草アレルギーをもつ人でも安心して使えるのも大きな特徴でしょう。
■イ草畳との違い
一般的なイ草畳、和紙畳のどちらも自然素材ですが、ダニに強いのは和紙畳の方です。イ草畳は調湿効果が高い分、ダニを寄せ付けてしまいます。また、両者は手触りも異なります。イ草畳はほどよい柔らかさをもっていますが、和紙畳は樹脂コーティングにより、その手触りは少々硬く感じることが多いです。
イ草畳と和紙畳は、製作工程自体も違います。和紙畳では、まずは和紙を作るところから始め、それをこより状にしてさらにパイプ状に加工していきますので、初期費用がかかり工程も長くなるのです。そのため、どうしても価格は高くなります。
▼和紙畳のメリット・デメリット
こちらでは、和紙畳のメリットやデメリットについて、イ草畳との違いも絡めて解説していきましょう。
・イ草畳よりも耐久性に優れている
・汚れにくい
・ダニやカビが発生しにくい
・豊富なデザイン、カラーバリエーションがある
和紙畳の耐久性はイ草畳の約3倍に匹敵するといわれています。その秘密が和紙畳の樹脂コーティングであり、傷や汚れ、水気や紫外線などから畳を守ってくれます。また、撥水性にも優れていますので、気軽に水拭きもできます。お手入れの良さと清潔な状態を保てることから、ダニやカビの発生につながりにくいのです。
一般的なイ草畳の場合、2~3年毎に裏返しや表替えといったメンテナンスが必要ですが、和紙畳の場合は同じ年数の間も特別なメンテナンスは不要です。
■和紙畳のデメリット
メリットが多い和紙畳にも、次のようなデメリットがあります。
・イ草畳よりも硬い
・高い調湿効果は望めない
・イ草の香りがしない
・イ草畳よりも高価
和紙畳の研究開発は年々進み、イ草の構造により得られる特有の柔らかさにだいぶ近づいていますが、やはり樹脂コーティングによる硬さは残っています。イ草の爽やかな香りもないため、物足りない感じがする人もいるかもしれません。
また、和紙畳の製作では、さまざまなデメリットを解消するために高い初期費用がかかっています。その分価格も高くなりますので、和紙畳を広い面積に使いたい場合にはコストがかかるでしょう。ただし、イ草畳に比べてメンテナンス費用は抑えられます。初期投資とランニングコストのどちらを重視するか、よく考えて決めてください。
▼和紙畳がオススメな人
ご紹介したようなメリットやデメリットを踏まえると、和紙畳は次のような人に向いています。
・高齢者や小さなお子様がいるご家庭
・イ草アレルギーをもっている
・和室をおしゃれにしたい人
・和室がないので、リビングにちょっとした畳スペースを作りたい
・畳に柔らかさよりも耐久性を求める人
和紙畳はイ草畳よりも滑りにくいですので、足腰が強くないご家族がいらっしゃるご家庭にもオススメです。リビングのフローリング上の一角に和紙畳を置くだけで、ちょっとしたゴロ寝スペースも作れますので、間取り的に和室を設けなかったお家でも和の気分が味わえます。
「シンプルな和室では物足りない」という人も、デザイン性の高い和紙畳を取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
▼まとめ
和紙畳は耐久性や耐水性、ダニに強いなどの面で、イ草畳よりも優れた面をもっています。デザイン性も高く、フローリングの部屋にちょこっと使いもできるため、部屋のイメージチェンジにも役立つでしょう。イ草の香りとほどよい柔らかさを楽しめる一般的なイ草畳も魅力的ですが、おしゃれな和室にしたい人は和紙畳もオススメです。